2018.12.26
資金調達をする際にビジネスローンは有効か
■いざというときの準備のために申し込む
会社経営をしていると、資金調達のことは常に念頭にあるという人も多いでしょう。資金調達の方法はいくつか候補がありますが、ビジネスローンはその中の一つです。銀行融資などと違ってお手軽に利用できる商品ですから、いろいろな活用法があります。例えば今は資金のやりくりで特別問題が生じていないけれども、いつか資金繰りが悪化する可能性も考えられます。そのようなときの保険として、あらかじめ申し込んでおくという経営者は少なくありません。
ビジネスローンの中には、ローンカードタイプのものがあります。いわゆる個人向けのカードローンのビジネスバージョンのようなもので、あらかじめ枠が設定されます。そしてその範囲内であれば、いつでもATMなどを使って借り入れできるスタイルです。今後お金が足りなくなった時に借入限度額が設定されていれば、その中なら審査なしでいつでもお金の融資を受けられます。ちなみにもし必要なければ、そのまま放置しても構いません。借り入れをしていなければ、契約料金や年会費、管理費などは一切発生しません。もちろん利息の支払いなども義務付けられないので、枠を持っていることによるコストはかからないものとなっています。
枠を持っていれば、借り入れをする際に審査なども必要ありません。お手持ちのキャッシュカードで預金を引き出すのと同じような感覚で利用できます。資金繰りが急に悪化して、今すぐお金が必要なときに当座の資金を確保できるのはかなり大きなメリットであり、精神的にもゆとりを持てるでしょう。
また資金繰りに困って経営状況が悪化している中で銀行融資を申し込んでも、審査で厳しく評価される可能性が高くなります。ビジネスローンであらかじめ契約をしておけば、審査なしで確実に必要なお金を確保できる利点が得られます。
■保証人や担保が用意できないときのために
資金調達をするにあたって、銀行融資を真っ先に思い浮かぶ人も多いでしょう。しかし銀行でお金を借りる際には、いろいろと条件があります。例えば事業計画書を作成して、担当者を納得させないとなかなか融資を通してくれません。そのほかにも保証人や担保を用意するように求められることもあります。上場しているようなある程度の実績や規模を誇る会社であれば、無担保や保証人なしでもお金の借り入れができる場合もあります。しかし中小企業であれば、このような条件で貸し出ししてくれる金融機関はまずありません。保証人を要求された場合、用意できないというケースもあるでしょう。
その場合には、保証協会の保証をつけることで代用する方法があるにはあります。ただし保証協会の保証を受けるにあたって、審査をクリアすることが求められます。審査落ちすれば、保証が受けられず、銀行からお金を借りられなくなります。このような保証人を準備できない、担保になるような財産も持ち合わせていないときに重宝するのがビジネスローンです。
ビジネスローンの場合ほとんどの商品で、無担保、保証人なしの資金提供をしています。そのため保証人を用意できない、利用可能な担保がない時の資金調達の手段として活用をすることができます。ただし一つ注意すべきことがあって、保証人については、第三者が必要ないという意味です。会社代表者は連帯保証人になる必要がありますから、この部分は誤解のないように気をつけましょう。
■資金調達のための融資を受けられない業種もある
公的機関や金融機関の融資の条件として、業種に制約を設けているのはご存知でしょうか。実は実績や経営状況などに関係なく、特定の業種を営んでいる時点で銀行からお金を借りることができない業者もあります。例えばクレジットカード会社や信金のような金融商品を取り扱っているところや、パチンコなどの娯楽業、いわゆる取り立てといわれる債権回収業、風俗業を営んでいるところなどです。銀行の場合にはこれらの業界でもすべてシャットアウトしているわけではありませんが、しかし他と比較すると審査は格段に厳しくなり、借り入れできる確率はかなり低くなります。さらに日本政策金融公庫の審査はまずクリアできないでしょう。
日本政策金融公庫は公的機関であり、融資される金銭は私たちの税金です。それが上で紹介したような公共性の低い業種にお金が渡ってしまうとなると、なかなか国民の了解を得るのは厳しいものとなります。ビジネスローンの場合、基本的に業種問わずその他の条件をクリアしていれば融資を受けることが可能です。このように銀行からお金を借りられないような業種の方は活用をおすすめします。
また業種的には問題がなくても、資金の使い道に問題があるとなかなか金融機関に言い出せないというケースも出てきます。貸付金や仮払金などで借り入れする場合、法人から経営者にお金がただ単に移動しているだけとみられ、審査でマイナスに評価されかねません。このような場合でもビジネスローンであれば、融通をきかせてくれる可能性が出てきます。